マウスピース矯正
マウスピース矯正とは
取り外しが可能な透明なマウスピース型矯正装置を用いておこなう矯正治療です。
ワイヤーを使用しないため、従来の矯正装置に比べると目立たず、見た目の美しさや快適さを重要視する方に適した治療方法です。
マウスピース型矯正装置は、患者様の歯並びにあわせた完全オーダーメイドで治療計画通りに歯が動くよう設計されます。
通常の矯正はワイヤーを用いて徐々に歯を動かしますが、マウスピース型矯正装置(インビザラインやクリアコレクト等)は定期的に新しいマウスピースを交換しながら徐々に歯を動かします。
従来のワイヤーを用いた矯正と比べて装着時の違和感もほとんどなく、口腔内に矯正装置が当たってしまうことによる口内炎などのトラブルも防げます。
※マウスピース型カスタムメイド矯正歯科装置(製品名:インビザラインやクリアコレクト等 完成物薬機法対象外)は未承認完成物薬機法対象外の矯正歯科装置、医療機器法および歯科技工法上の対象外の矯正歯科装置に該当し、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
マウスピースの種類について
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
インビザラインは米国「アライン・テクノロジー社」が開発した透明で目立たない、取り外しのできるマウスピース型矯正装置です。
1日20時間以上装着し、約2週間毎にマウスピースを交換しながら歯を徐々に動かしていく矯正方法です。
世界100ヶ国以上の国々で提供され、これまでに全世界で1,000万人を超える患者様が治療を受けています。(2021年5月現在)
マウスピース型矯正装置(クリアコレクト)
クリアコレクトとは、インプラントの老舗メーカー「ストローマン社」が提供するマウスピース型矯正装置です。専用のマウスピースを1日22時間以上装着して、少しずつ歯並びを整えます。
インビザラインと比較して薄く、タイトなフィット感が特徴で、装着した際の異物感も比較的少ないとされています。装着した際に2mm程度歯茎にかぶさる形状も、矯正力に優れるポイントです。
3次元のデジタル印象採得装置「TRIOS」
当院ではマウスピース型矯正装置を作製する際に、口腔内スキャナー(TRIOSトリオス)を使用しています。TRIOSは口腔内の印象を採得するための専用の光学スキャナです。
スキャニング性能にすぐれ、口の中の細部まで精密に捉えることができます。また3Dのデジタルデータで表示できるのであらゆる角度から確認することができます。
光学印象
光学印象とは、従来の印象材(粘土のようなもの)での歯の型取りとは異なり、お口の中をカメラでスキャンして 3D データをデジタルで取得する型採りのことです。
TRIOSなら、スキャナーの先端についたカメラで口腔内を撮影するだけで歯型を採ることができるので、患者様に負担がかかりません。
- 嘔吐反射のある患者様にもやさしい
- 従来の型どりよりも時間が短縮できる
- さまざまな角度から口腔内を検証できるため、治療の精度向上につながる
- モニターでスキャン画像を見ながら患者様と現状のお口の状態を共有確認することが可能
高精度な口腔内のデータ取得
スキャンして取り込んだお口の情報は、その場ですぐにPC モニター上に映し出すことができます。
得られた3Dデータを元に、現在の歯並び・噛み合わせの状態、歯を動かしている途中の状態、治療後の状態を、3D画像でシミュレーションできると共に、精度の高い矯正装置の設計が行えます。
放射線の心配がない
TRIOSのスキャンはレントゲン撮影のように放射線を使用しないため、小さなお子さまや妊婦さんでも安心して治療ができます。
従来の矯正装置との比較
項目 | マウスピース型矯正装置 | ワイヤー矯正 |
---|---|---|
見た目 | 気づかれにくい | 表側の場合装置は見えるが、裏側の場合は見えにくい |
違和感 | 少ない | 違和感が強い |
痛み | 比較的痛みは少ない | 装置をつけた直後は痛みやすい |
取り外し | 自分で取り外し可能 | 自分で取り外し不可能 |
食事への 影響 |
ない | ある |
金属 アレルギー |
ない | ある |
装着後の 脱落 |
ほぼない | 装置が脱落することがある |
治療の 頻度 |
少ない | 多い |
矯正終了後 のイメージ |
治療開始前にイメージがわかる | あらかじめイメージは見られない |
マウスピース矯正のメリット・デメリット
- 透明で目立たない
- 取り外しがしやすい
- 歯磨きがしやすく、むし歯や歯周病の予防ができる
- 発音がしやすい
- 治療時間が短縮できる
- 金属アレルギーの心配がない
- 1日20時間以上、装着する必要がある
- 適応症例が限られる
- 紛失のリスクがある
- 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合がある
マウスピース矯正の流れ
【STEP1】カウンセリング
患者様のお悩みを伺い、口腔内の診察をします。
患者様のご要望や不安な点などを伺ってから、治療内容について説明します。
【STEP2】精密検査
口腔内審査、レントゲン写真撮影、顔面・口腔内写真などの精密検査を行います。
3D口腔内スキャナー「TRIOS」を使用して口腔内を撮影し、歯の形状や歯列の状態をデータとして取得します。
【STEP3】マウスピースを製作
治療計画に合わせ、カスタマイズされたマウスピースが製作されます。
【STEP4】治療スタート
ドクターからマウスピースを受け取り、その日から毎日装着していただきます。
1~2週間ごとに新しいマウスピースに交換します。
※1日20時間の装着を推奨しております。※歯磨き、お食事の際は外してください。
【STEP5】治療終了
噛み合わせの確認や、シミュレーションと実際の歯の動きの比較を行います。
歯がきれいに並び、噛み合わせが良い場合は、治療は終了です。
【STEP6】保定
矯正治療完了後は、歯並びや噛み合わせのチェックを行います。
歯が元に戻ろうとして動いてしまう後戻りを防ぐために、リテーナーという保定装置を使って保定を行います。
【STEP7】メンテナンス
保定装置の装着後は、3~6ヶ月おきにご来院いただき、後戻りのチェック+虫歯・歯周病の予防処置を行います。
マウスピース型矯正装置(インビザラインやクリアコレクト等)に関してよくある質問
- 矯正治療が終わるまで、どのくらいの期間がかかりますか?
- 元の歯の状態やどの範囲の歯を動かすかによって期間によって異なりますが、一般的に全顎矯正で2~3年、部分矯正で3ヶ月から1年ほどです。
- 通院はどれくらいの頻度ですか?
- 治療方法や歯並びの状態などにより多少違いがありますが、マウスピース矯正は、2ヶ月~3ヶ月に1回の通院が基本となります。
- マウスピース型矯正装置(インビザラインやクリアコレクト等)で治療できないケースはありますか?
- 外科的な治療が必要なケースなど、難しい症例では適応にならないことがあります。
- 矯正装置をつけると痛みが生じますか?
- マウスピースの摩擦力と噛む力で歯を動かすので、ほとんど痛みを感じません。動かす必要のある歯にだけ弱い力がかかるので、ワイヤー矯正よりも痛みを抑えられます。
- .矯正装置は1日どれくらい装着すればよいですか?
- 1日20~22時間以上装着してください。基本的には、飲食の時間と歯磨きのとき以外は、いつも装着することをお勧めします。
- 治療期間中の食事や飲みものについて制限はありますか?
- マウスピースを外せば、ほとんど食事に制限はありません。基本的に自由に食事をして問題ないですが、食後の歯磨きは徹底してください。
- 矯正装置のメインテナンスはどのようにしたらよいですか?
- 食事の際はマウスピースを外してください。また食後にマウスピースを装着する前にはご自身の歯をしっかりと磨きましょう。マウスピースに唾液や汚れが付いていれば必ず水で洗ってください。熱湯で洗うとマウスピースは変形・破損してしまうので注意してください。汚れがひどい場合は歯ブラシか専用クリーナーで洗浄してください。
- マウスピース矯正矯正は、保険が利きますか?
- 自費診療となり健康保険は適用されません。マウスピース矯正の治療費は、医療費控除の対象になり、確定申告をしていただくことで所患者様の実質的なご負担が軽減します。
未承認医療機器の使用について
当院では、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン、クリアコレクト)の品質や有効性を確認したうえで治療に使用しています。
しかし、マウスピース型カスタムメイド矯正装置は、海外でロボットによって製作され、オーダーメイドである(既製品ではない)ことから、薬機法上の医療機器としての承認を得ていません。
そのため、このサイトを通して情報提供を行うにあたり、医療広告ガイドラインに従い、限定解除要件を以下に掲載いたします。
当院は、適正なサイト運営に努めるとともに、治療を希望される患者様には十分な説明を行っています。ご不明点はお気軽にご相談ください。
未承認医薬品であることの明示
当院の矯正治療にて使用しておりますマウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン、クリアコレクト)は、装置の設計は日本の歯科医師が行いますが、製作を海外の工場で行うため薬機法における医療機器に該当しません。また、国内で作製される物であっても、患者様ごとに作られるカスタムメイドは薬機法での医療機器となりません。
このため、マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン、クリアコレクト)を使った矯正治療を受けた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象とならない場合があります。
国内の承認医薬品等の有無の明示
日本国内でも、マウスピース型カスタムメイド矯正装置を作製しているメーカーがあります。また、国内の歯科技工所などで作られたカスタムメイドの装置は、歯科技工士法における矯正装置に相当します。
日本には、当院が使用しているマウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン、クリアコレクト)を使用せず、薬機法上の承認、または歯科技工士法上で認められた矯正装置を使った矯正治療があります。
入手経路等の明示
当院が治療に用いるマウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は、米国アライン・テクノロジー社の製品です。アライン・テクノロジー社のグループ会社である「アライン・テクノロジー・ジャパン株式会社」より入手しています。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(クリアコレクト)は、スイス・バーゼルに本拠を置くストローマン社の製品です。ストローマン・ジャパン株式会社を介して入手しています。
諸外国における安全性等に係る情報の明示
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(インビザライン)は、1998年に米食品医薬品局(FDA)から販売認可を受けました。2018年1月現在までで世界100ヶ国以上の国々、520万人を超える患者様が矯正治療を行いましたが、重大な副作用の報告はありません。
マウスピース型カスタムメイド矯正装置(クリアコレクト)は、2022年1月時点で全世界で50万人以上の方が治療を受けていますが、現在までで重大な副作用の報告はありません。
矯正歯科治療に伴う一般的なリスクや副作用
- 治療開始当初は矯正装置による不快感、痛み等があるものの、数日から 1~2週間で慣れることが多いです。
- 歯の動き方には個人差があるため、想定した治療期間より延長する可能性があります。
- 装置の使用状況、顎間ゴムの使用状況、定期的な通院等、矯正歯科治療には患者様の努力・協力が必要不可欠です。それらが治療結果や治療期間に影響します。
- 治療中は、装置の装着により歯が磨きにくくなります。虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧なブラッシングや、定期的なメンテナンスが重要になります。また、歯が動くと隠れていた虫歯が見えるようになることもあります。
- 歯を動かすことで歯根が吸収して短くなることがあります。また、歯ぐきが痩せて下がることがあります。
- ごくまれに歯が骨と癒着し、歯が動かないことがあります。
- ごくまれに歯を動かすことで神経が障害を受け、壊死することがあります。
- 治療中に金属等のアレルギー症状が出ることがあります。
- 治療中に「顎関節で音が鳴る、顎が痛い、口が開けにくい」などの顎関節症状が出ることがあります。
- 様々な問題により、当初予定した治療計画を変更する可能性があります。
- 歯を削ることで歯の形を修正したり、噛み合わせの微調整を行う可能性があります。
- 矯正装置を誤飲する可能性があります。
- 装置を外す際、エナメル質に微小な亀裂が入る可能性や、かぶせ物(補綴物)の一部が破損する可能性があります。
- 装置を外した後、保定装置を指示通り使用しないと後戻りが生じる可能性が高くなります。
- 装置を外した後、治療により変化した噛み合わせに合わせてかぶせ物(補綴物)や虫歯の治療(修復物)などをやり直す可能性があります。
- 顎の成長発育により噛み合わせや歯並びが変化する可能性があります。
- 治療後に親知らずの萌出などの影響で凸凹が生じる可能性があります。また、加齢や歯周病等により歯を支えている骨がやせると噛み合わせや歯並びが変化することがあります。その場合、再治療等が必要になる場合があります。
- 前歯を後退させた治療後に、ほうれい線が深くなったり、口唇周囲の皺が目立つようになる可能性があります。
- 矯正歯科治療は、一度始めると元の状態に戻すことは難しくなります。